ペット保険はいらない?メリットやデメリットについて詳しく解説します

ペットを飼っている人たちの中でも知らない人や詳しくない人も少なくないペット保険。人間であればなんらかの保険には加入しており、保険証を見せれば医療費の3割で治療できますが、実はペットにも任意ではありますがちゃんと保険があります。

しかし、いざ調べてみると意外とペット保険を提供している会社が多く、どれが飼い主様やペットにとって最適なのか分からない人も多いはず。今後のためにも、加入するメリットや注意点も含めて知っておきたいところですよね。

今回はそんなペット保険について詳しく解説していきます。この記事を見て、しっかりと考えた上で自分たちにあったペット保険を選んでいきましょう。

ペット保険に加入するメリット

そもそも人間用の保険ですら「今は健康だし、高額な保険料を払ってまで加入したくない」と言う人も多いのが保険の現状。増して普段元気なペットの姿を見ていると、とても保険に加入したいとは思わないでしょう。しかし、怪我や病気は必ずやってくるもの。ペット保険に加入するメリットをしっかりと理解し、その上で本当にペット保険に加入すべきかどうかを判断すべきです。

ここでは、ペット保険に加入するべきメリットについて解説していきます。

ペットの長寿化によって需要が高まっている

昔からペットを飼っている方の中には、「最近はペットたちも長生きするようになったなぁ…」と思っている人も多いのではないでしょうか。それもそのはず、実は本当にここ数年で平均寿命が伸びていっているのです。犬や猫は今でこそ平均寿命が10年以上もありますが、ほんの数十年前までは7歳前後まで生きられたら幸運だったと言われてさえいました。

医療技術の発展や栄養価の高い専用フードが販売されるようになったことや、飼い主様が愛情を込めて育てるようになったことが高寿命に貢献したとされています。今後も更に高寿命化が進むと見ている学者も多く、飼い主様にとっては嬉しいニュースですね。

しかし長生きが嬉しい反面、高齢化によって起こる病気のリスクも懸念されています。最近は室内飼いの影響か、肥満体型のペットも多く、加齢も相まって重い病気や怪我の危険性も高くなっており、保険に加入していないがゆえに料金が高い治療をさせてあげられない飼い主様も徐々に増えつつあるのが問題となっています。

高額な医療費の負担が減らせる

ペット保険…というより保険に加入する最大のメリットはやはり高額な医療費を負担してくれることにあるでしょう。保険にはいくつか補償内容がありますが、ペット保険では医療費の50%もしくは70%を負担してくれる割合負担、入院や通院1日ごとに補償してくれる定額負担の2パターンが主流となっています。

例として犬に多い白内障の治療費は大体30万前後ほどかかると言われています。この場合は70%負担であれば21万円分が補償され、飼い主様は残りの9万円のみを支払うことになります。50%負担なら15万円を支払えばいいわけですね。

定額プランはここまで高額な負担はしてくれないことが多いですが、限度額に収まる範囲内であれば全額補償してくれるものもあるので、風邪やちょっとした怪我などの対策として心強い味方になります。

もしもの時の損害賠償も特約によって負担してくれる

特約というのはご存知でしょうか?これはいわゆるオプションのようなもので、通常のプラン内容に加えて、特殊なサービスや補償を有料もしくは無料で付けられるというものです。この特約の中に損害賠償金を補償してくれるものがあります。

ペットでよくあるのは、他人の車を壊してしまったり他のペットと喧嘩して傷を負わせてしまった時などに交渉になった際、限度額以内で保険金が降ります。因みにこの保険金の中には弁護士費用なども含まれています。できればそんな事態にはなりたくないものですが、いざという時に頼りになりますね。

しかし、この特約を付ける際は他の加入している保険で同じ特約が付いていないか確認する必要があります。というのも、火災保険や自動車保険にも似たような特約があり、その場合は2重で貰えることはありません。また、大抵はそちらの方が限度額や範囲に優れているため、わざわざ蹴ってまでペット保険で特約を付ける必要もないです。

ペット保険に加入するデメリットや注意点

ペット保険は確かに素晴らしいものではありますが、一方で注意点もいくつかあります。お金をかけて利用する以上、メリットばかりをお伝えするわけにもいきません。

ここではペット保険に加入するにあたって注意しておくべきことについて解説していきます。

加入する際は審査が行われる

ペット保険の大前提は【若く健康であるうちから病気や怪我に備える】というものです。そのため、加入する際は年齢も含めていくつか審査を通る必要があります。特に年齢は若い分にはあまり関係ないですが、7歳前後など高齢になってからでは加入できない場合もあるため、なるべく若いうちから加入しておきましょう。

年齢以外では以下のような審査が行われます。

・過去にかかった病気や怪我の有無(主に心疾患やヘルニアについて問われることが多いです)
・現在治療中の病気や怪我の有無
・過去数カ月以内に予防以外で病院に行ったかどうか

これらの質問への回答を元に、無条件での加入、条件付き(特約等)での加入、加入できないのいずれかの対応になります。もし回答内容に不正や不備が発見されれば、即契約解除になってしまうので、正直に答えましょう。

加入後すぐに補償されるわけではない

加入した年…つまり初年度契約では、たとえ補償内容であっても保険金が降りない【待機期間】が設定されている場合があります。待機期間は会社によって異なりますが、概ね30日程度が多いですね。これは加入したときにはすでに病気や怪我があり、保険金目的で加入したというケースを防ぐためのもの。

また待機期間を過ぎたあとでも、保険金が降りるには書類を送ってから20日前後かかります。すぐにお金が貰えるわけではありませんのでご注意下さい。またそれ以外でも、その月の下旬に申し込んだ場合、保険開始日が翌々月までズレる事があります。加入する際はなるべく月の初めに申し込みましょう。

かけたお金は戻ってこない場合が多い

保険には掛け捨てタイプと貯蓄タイプの2種類があり、ペット保険は基本的に掛け捨てタイプを選ぶことが多いです。実はこの掛け捨てタイプ、料金が貯蓄タイプよりも安い代わりに掛けたお金が戻ってきません。ペット保険が必要ないと言われるのは、この掛け捨てタイプの内容をよく理解されていないまま【ペット保険はお金の無駄になる】と認識されているため。

掛け捨てタイプはペット保険以外でも定期保険でもよく使われるもので、先述したように貯蓄タイプよりも月額料金が安いため主に若い世代に人気があります。両方のプランが選べるわけではないペット保険では、このメリットに気がつかないためお金が無駄になると勘違いされるという訳です。

掛け捨てタイプ特有のメリットやデメリットを把握したうえで、ペット保険に加入すべきかどうかを判断することが大切です。

ペット保険の選び方

ペット保険とひと括りにしても、その実態は様々です。悪徳業者に引っかからないようにするには補償内容はもちろん、その後の対応なども総合して判断する必要があります。

ここでは良いペット保険の選び方について解説していきます。

補償内容で選ぶ

ペット保険において最も考慮すべきなのは補償内容…すなわち【割合タイプ】か【定額タイプ】か選ぶことです。どちらが良いというより、どちらもメリットとデメリットがありますので、飼い主様が求めているものを基準に選んでいきましょう。下記にそれぞれについて簡単にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

・割合タイプのメリット
限度額が高く、割合で補償されるため特に高額な医療費において効力を発揮します。

・割合タイプのデメリット
どれだけ医療費が安くても100%補償されることはないため、日常の細かな怪我や風邪に対してはあまり期待できません。

・定額タイプのメリット
100%負担にも対応していることが多く、特に日常生活において効力を発揮します。

・定額タイプのデメリット
通院や日数によって細かく限度額が決められており、高額な医療費の場合は割合タイプよりも支払う金額は大きくなります。

総合して考えると、【大きな病気や事故に備える場合は割合タイプ】【日々の小さな病気や怪我に備える場合は定額タイプ】がおすすめです。

料金は加齢によって加算される

特にペットがまだ赤ちゃんの時に保険に加入する際に起きる勘違いですが、ペット保険にかかるお金はペットの年齢によって年々加算されていきます。加算額はバラバラなため一概には言えませんが、最初は安くても加齢による加算額が大きいこともあれば、最初から少し苦学でも加算額が抑えられているプランもよくあります。

あとになって「高すぎる!」と後悔しないように、自分のお財布状況や今後の見通しも含めて冷静に選びましょう。

ペット保険でよくあるトラブルについて

出ていくお金も貰えるお金も多い保険では、しばしば金銭面でのトラブルが見受けられます。もちろんそれら全てが悪徳業者による詐欺ではなく、むしろほとんどが加入者の確認不足や認識の違いによって引き起こされたケースです。

一口でペット保険といってもその内容があまりに多彩なため、まだまだ世間の認識が浅いことも相まって、契約書を読まずに契約してしまうことがトラブルの要因として挙げられます。対象の動物、補償が適用される病気や怪我、待機期間などの保険金が降りないタイミングなど、保険金に直接関わる項目には特に目を配らせましょう。

ペット保険は必要ないという考え

もともと保険というのはあまり良いイメージを持たない人も多く、「そんなもの金の無駄」と言う飼い主様も少なくありません。確かに、常にペットが健康であればお金の無駄といってもいいでしょう。しかし、私達人間もそうであるように、事故や病気は不意に襲いかかってきます。

その時になって、高額な医療費に目を回してしまっても遅いのです。保険は転ばぬ先の杖ということを意識して、今一度ペット保険の重要性について考えてみましょう。

                               

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