訪問ペット火葬とは?気をつけたいトラブルへの対処法

「近くに霊園が無くて車で移動するのが苦痛…」「ペットがお気に入りだった場所で火葬したい…」「家族みんなが揃う時は夜中しかない」そんな悩みに答えるべく、新たな火葬サービスとして生まれたのが訪問ペット火葬。移動負担なし、24時間対応の会社が多いなど魅力的な部分が多い一方、まだまだ一般的といえるほどの知名度がありません。

せっかく魅力のある方法なのに、知らないままペットを知らない場所で弔って寂しい思いをして欲しくない!ということで、この記事では訪問ペット火葬について簡単にご紹介していきます。後半では訪問ペット火葬で起こり得てしまうトラブルについても触れていますので、ぜひ最後までご覧になってください。

訪問ペット火葬とは

今までのペット火葬は【霊園による火葬】【行政による火葬】の2つでした。とはいえよほどの理由がない限り、大抵は霊園による火葬が最もメジャーだと思います。

まずは訪問ペット火葬をあまりよく知らない人のために、訪問ペット火葬についてざっくりとお話していきます。この項目の最後には他の2つについても軽く触れますので、他と何が違うのかを意識しながら見ていきましょう。

自宅まで訪問して火葬するサービス

訪問ペット火葬は名前で察せる人も多いかと思いますが、一言で言えば【火葬からご返骨までご自宅で完結する火葬サービス】です。今までのペット火葬はどこであれ、施設の焼却炉にて火葬していましたが、訪問ペット火葬は火葬設備を全て専用の火葬車に載せることで車で火葬できるようになっているのが最大の特徴。

「車で火葬?」と疑問に思う方も多いでしょう。確かにワゴン車などの大型車両であっても、車内に設備が全て入ったり、汚染物質が漏れださないような構造になっているなんておよそ想像できませんよね。しかし、最新の設備を使用した火葬のクオリティは施設で使われているものと比較しても遜色ありません。

さらに実際に使用する火葬車はすべて厳しい審査基準を突破した安心設計。煙や臭いがほとんど発生せず、ダイオキシンや窒素酸化物などの汚染物質も外に漏れださない構造となっております。また火葬車には会社名が分かるようなプレートやシールは一切付けていないため、普通に見ている分にはただのワゴン車にしか見えません。このように、住宅街でも安心安全に火葬できるように、様々な点が配慮されています。

訪問ペット火葬以外のペット火葬

ペット火葬には訪問ペット火葬の他に、霊園による施設火葬と市役所による行政火葬があります。どちらにもメリットとデメリットがありますが、基本的には施設火葬を選ぶ人が多いですね。

施設火葬はなんといっても大掛かりな設備で行われるため、扱えるペットの種類やサイズの幅が広く、霊園の雰囲気や歴史もあって【ペット火葬ならとりあえず霊園】というイメージがあります。ペット用の霊園も数こそ少ないですが、送迎に対応していたり火葬後の対応も手厚いなど利点も多いです。ただし、居住地によっては霊園が遠い場所にしかなかったり、料金が高いこともあります。

行政火葬は知らなかった人もいるのではないでしょうか。市の公式HPなどにも掲載されておりますが、火葬料金は比較的安めに設定されているのが特徴です。ただし、他の方のペットと一緒に火葬される合同火葬しか対応していなかったり、立ち会いが許可されていないなど注意すべき点も多いです。

訪問ペット火葬のメリット

訪問ペット火葬は【個別で訪問して火葬する】という今までにない火葬方法です。それによって生まれるメリットはどれも他の方法にはない特徴的ばかり。

ここでは訪問ペット火葬ならではのメリットについてお話していきます。どれか1つでも飼い主様に刺さったのなら、ぜひ訪問ペット火葬をご利用ください。

自宅で完結するため移動負担がない

訪問ペット火葬はなんといっても自宅だけですべて完結するのが最大のメリット。霊園でのペット火葬は【予約→霊園までご遺体を車で運ぶ→時間まで待ってから火葬→帰宅する】という流れで進行します。さらに合同火葬や立ち会い火葬なら待ち時間や準備時間もそれなりにかかります。車を持っていない場合はさらに送迎を待つ時間も加算されます。

霊園が身近にあればいいのですが、遠い場所にしかない場合は移動も含めた飼い主様やご家族の負担も大きくなります。そうなると、足が不自由な方やお子様はなかなか大変…。しかし、それだけの理由で大切なペットの火葬に立ち会えないのは嫌ですよね。

訪問ペット火葬はご自宅までスタッフが訪問し、その場やお近くの場所で火葬するため移動負担はまったくありません。もちろん、飼い主様のペットのみの個別火葬ですので待ち時間もなくスムーズに執り行います。

すべての時間を飼い主様だけに使う

訪問ペット火葬は、当たり前といえば当たり前ですが、飼い主様の自宅やその近辺で飼い主様のペットのみを火葬致します。つまり、全ての時間を飼い主様やそのペットのみに費やせるということ。分からないことや正しい収骨のやり方など、疑問点があればその都度スタッフが丁寧に解説してくれます。

これはなにも訪問ペット火葬以外の火葬は対応が冷たいと批難しているわけではありません。しかし、合同火葬では他のお客様にも説明しなくてはいけませんし、施設のスタッフとの連携や後のスケジュールの関係もあり、どうしても全てのお客様が満足できる説明をこなせるとは限りません。

ペット火葬をご依頼される方にはもちろん初めて立ち会うというお客様も沢山いらっしゃいます。「初めてなのでどういう風にしていればいいのか分からない」と戸惑うことも多いでしょう。訪問ペット火葬はそんなお客様でもペットを天国へ送れるよう、飼い主様だけのために時間を使ってくれます。

土日祝可の24時間対応が多い

ペットが亡くなった後すぐにご遺体を正しい方法で保管することである程度は保存できます。とはいってもその期間は夏場はもって1日、冬でも2〜3日程度しか持ちません。それ以上の保存はご遺体を痛め、最悪腐敗させてしまう恐れがあります。つまり、ペットを火葬するための日にちや時間を選んでいる暇はないのです。

しかし霊園や市役所は大体18時前後には閉まってしまいますし、土日祝は休みの場所も多いです。これでは常に時間に追われている社会人はもちろん、部活動がある学生も火葬に立ち会えないでしょう。しかしできることなら家族みんなでペットを見送りたいですよね。

訪問ペット火葬は火葬に使用する設備は車にすべて入っていることもあり、土日祝含めて24時間対応の業者もたくさん営業しています。深夜帯は料金もある程度割高にはなってしまいますが、家族が全員揃う時間がなかなか確保できない人も安心してご利用いただけます。

訪問ペット火葬で起こり得るトラブル

訪問ペット火葬を利用したい飼い主様の中には、「悪質な業者に当たったらどうするの?」「ご近所からなにか言われないか?」と不安に思ってしまい、なかなか踏み切れない人も多いでしょう。実際、この業界はまだまだ発展途上ではありますし、それ故になにかトラブルに巻き込まれてしまう可能性も残念ながらゼロとは言い切れません。

しかし、トラブルの多くは要因さえ知っていれば事前に対処できるものばかり。ここでは可能性の高い【悪質業者】【近隣住民】【その後の散骨】の3つのトラブルについて解説していきます。

悪徳業者とのトラブル

まず「不正や雑な対応をする悪徳業者っているの?」という疑問についてお答えすると、残念ながら悪徳業者と呼べる会社も少なからず存在します。というのも、実は訪問ペット火葬に必要なのは火葬車だけであり、特別なにか開業に必要な資格等がないのです。つまり、極端に言ってしまえば誰でも開業できてしまいます。

訪問ペット火葬はまだまだ厳格なルールやマナーなどが固まりきっておらず、そして近年のペットブームにより非常に需要の高い業界です。そのせいか知識や技術が不十分なまま開業する人も多く、意図のあるなしに関わらず質の悪い対応をしてしまう会社もわずかながら存在するのが現状。

しかし、こういった悪質な会社は評判が悪かったり、そもそも知名度が無い小規模なものばかり。対応の質はSNSやグーグルマップの評価を、悪質かどうかは公式HPの有無や会社の概要を調べることでそれぞれ分かります。

訪問ペット火葬は「悪質なものばかりで怖い」と利用をためらうにはあまりに勿体ないほど魅力のある業界です。ごく僅かな悪徳業者に惑わされず、ちゃんとした会社を選ぶことできっと満足できるお別れができるでしょう。

近隣住民とのトラブル

火葬車は見た目はただのワゴン車ですが、流石に実際に火葬する時はそれ相応に設備が露出します。家の周りを高い塀が囲っているならともかく、外から庭が見えるご自宅であったり、散歩道など外で火葬する際は近隣住民に配慮する必要があります。

事情を知らない人から見れば「あの車で何やっているんだろう?」と不審に思ってしまうのも無理はないですし、たとえ分かっていたとしても自分の近くで動物が火葬されているということを良く思う人はいないでしょう。

人の目に触れる場所で火葬する場合は予め近隣住民に連絡しておくと余計なトラブルを引き起こさずに済みます。もし連絡するのを躊躇うのであれば、自治体に相談してみるのも手です。なにかあれば対応してもらえますし、自治体の方から近隣住民へ通達してくれる事もあります。

散骨に関するトラブル

これはなにも訪問ペット火葬に限った話ではありませんが、ご遺骨を個人で散骨する際は周囲への配慮と法律違反にならないかを意識しなければいけません。散骨場所が個人や市が管理している場所は当然アウトですが、意識から外れてしまうのが周囲への影響です。

たとえばペットが気に入っていた散歩道に散骨したとしましょう。もし子供や工事がその土を掘り返した時、骨粉が見つかれば当然驚きます。まして人間の骨なのか動物の骨なのかも分からない状態なので、もしかしたら警察沙汰になるかもしれません。また散骨している所をもし誰かに見られたとして、その人がどのような思いをするのかも考えなければいけません。

最も安全なのは自宅の庭ですが、それ以外の場所に散骨するのであれば周囲への配慮を第一に考慮しましょう。

訪問ペット火葬はこれからの時代に合わせた新しい方法です

訪問ペット火葬はまだまだマイナーであり、それ故に不審に思う方もいるでしょう。しかし、【自宅で完結する】【家族とスタッフだけで弔える】など現代に相応しい業界だと自負しております。むろん、悪徳業者も含めて課題が決してない訳ではありませんが、少しでもお客様が笑顔でペットを見送れるように弊社も日々尽力しています。

この記事で少しでも訪問ペット火葬についてご理解いただけたなら幸いです。

 

                               

メモリーズ北九州コラム