【北九州市での対応】道路で動物の死骸を発見した時の正しい対応

ある天気が良い日、貴方は何気なく外を散歩していました。ふと道路の端を見てみると、そこにはなんと轢かれて死んだであろう動物の死骸が……。想像もしたくないお話ですが、決しておかしな話ではありません。自然豊かな日本では数々の野生動物が暮らしていますし、急に車道に飛び出してしまう事だってよくありますから。

もしそんなシチュエーションに出くわしたら、貴方はどうしますか?今回は道路で動物の死骸を発見した時、そして自分の車が動物を轢いてしまった時、ペットが交通事故にあった時の対応について解説していきます。

道路で動物の死骸を発見した場合の対応

まずは冒頭でも挙げた、道路で動物の死骸を発見した場合について。何気なく利用している道路には、実は安全に利用できるように管理している人たちがいるのです。

ここでは道路で動物の死骸を発見した時の対応について解説します。

道路の管理者に連絡する

私たちが普段安全に道路を利用できるのは、その道路を管理している人たちがいるおかげです。動物の死骸、汚れ、損傷など、道路の異常に関しては管轄している管理者に連絡することで対応してくれます。管理者は各道路の種類によって、以下のように定められています。

・高速道路、国道指定区間

国土交通省

・国道指定外区間、都道府県道

各都道府県

・市町村道

各市町村

ただし、電話する際は車を停車可能な場所で停車してから電話しましょう。因みに、高速道路では非常時に非常駐車帯や路肩に寄せ、発煙筒や電子掲示板を設置することになります。連絡する時は【動物の種類及びサイズ】【死骸がある場所】を簡潔に伝えてください。

道路緊急ダイヤルとは?

管理者に連絡すると言っても、どの道路が誰の管轄かなんて普通は分かりませんよね?実は2005年に国土交通省によって道路緊急ダイヤル(♯9910)が導入されています。これは音声ガイドに従うだけで、その道路の管轄センターに繋いでくれる便利なもので、道路の異常はこのダイヤルに連絡するだけなので簡単です。24時間対応しているため、時間に縛られないのも良いですね。

野生動物が自然の中で弱っていた時の対応

道路ではなく、山や林の中で小動物が弱っていたら、どのような対応をすべきなのでしょうか?心優しい人ならば、とりあえず保護しようとするかもしれません。しかし、実はこういったケースの場合、【基本的には放置、どうしても保護したい場合は救護施設に連絡】が正解なのです。

人の手の届かない所で弱り、死んでいくのは自然の営みの一つ。そうして死んだ動物を別の動物が食べることで命を繋ぎ、そうして生きた動物もまた弱り別の動物に食べられる……そうしたサイクルそのものこそ大切にすべきなのではないでしょうか?可哀想だからといってむやみやたらに保護してしまうと、生態系そのものに狂いが生じるのですから。

一方、自然ではないのであれば話は別。例えば小鳥が糸に絡まったなど、明らかに人工物又は人為的なケガの場合は、保護した上で完治したら自然に帰すべきという意見もあります。そういった場合でも、ひとまず救護施設に連絡した上で保護するのが適切。

大切なのは、自分の行いがより多くの動物に影響が出ないかどうかを考えること。目の前で弱っている動物が、自然によってそうなったのか、それとも人為的なものなのか、よく判断した上で決断しましょう。

北九州市で動物の死骸を発見した場合の対応

北九州市の道路や公園等で、小動物の死骸を発見した場合は以下の環境センターまで連絡してください。

・門司区、小倉南区

新門司環境センター

電話番号 093-481-7053

・小倉北区、戸畑区

日明環境センター

電話番号 093-571-4481

・若松区、八幡東区、八幡西区

皇后崎環境センター

電話番号 093-631-5337

また、自宅や会社などの敷地内で野鳥の死骸を発見した場合、福岡県が検査を行う場合がありますので、下記の番号まで連絡してください。

・福岡県京築保健福祉環境事務所

電話番号 0930-23-9050

運転中に動物を轢いてしまった場合の対応

運転中は人や物だけでなく、動物との事故にも気をつけなくてはいけません。特に野鳥や小動物は見えづらい事もあり、不意に衝突してしまうケースも珍しくありません。もしそうなった時、どのように対応したら良いでしょうか?

ここでは、自分が運転中に動物を轢いてしまった時の対応について解説します。

まず警察に連絡する

そもそも大前提として、車が野生動物を轢いてしまうのは交通事故として扱われます。では交通事故の場合はどのような対応をするべきか……そう、まずは警察に報告しなければいけません。因みに、このように車で動物を轢いてしまい、そのまま動物が死んでしまうことを【ロードキル】と言います。

さて、先述したようにロードキルは警察に報告しなければいけないのですが、ならばなぜ路上に動物の死骸が放置されているのでしょうか。正直なところ、モラルの問題なのです。もし報告しない場合、事故防止処対策義務違反という立派な違反行為になります。が、轢いたのは野生動物、人的被害もなし……となると誰も運転手を訴えることができません。つまり、放置されてしまってもどうしようもないのです。

もちろん、誰が言わなくとも違反行為に間違いはありませんし、2次被害の原因にもなります。皆さんは万が一動物を轢いてしまっても、焦らずに警察に連絡してくださいね。

道路緊急ダイヤルにも連絡を入れる

警察への連絡を終えたのなら、道路の管理者か道路緊急ダイヤルにも連絡を取りましょう。動物と交通事故を起こした時点で、すでにその道路は通常とは違う異常が発生していることになります。

また、交通量や周囲の状況を判断して外に出ても危険がなさそうなら、動物を路肩に移動させましょう。その後の2次被害を防げます。ただし、衛生面や病原菌などを考慮し、決して素手では触らずにタオルや手袋を利用してください。

警察への連絡は義務

よく勘違いされがちですが、【動物との交通事故】は違反行為や犯罪の類にはなりません。より正確に言うのであれば、動物は民法上は物として扱われ、物としか接触していない事故は物損事故になります。そして、人の死傷がない物損事故では特に警察のお世話になることはないです。従って、違反点数が加算されることもありません。

ただし、物損事故を起こした場合は報告義務と危険防止処置義務が生じます。そしてそれらを怠った場合は【当て逃げ】という違反行為になり、その場合のみ違反点数と刑事罰が課せられます。

簡単に言ってしまえば、【報告と2次被害の防止をした場合は何も心配いらない】のに対して、【無報告及び逃走は当て逃げ】になります。もちろん、意図的に動物を轢いた場合は話は別ですが、少なくとも事故で轢いてしまっただけならば罪に問われる事はないです。

大切なペットが車に轢かれた場合の対応

【動物】という言葉の中には、ペットも含まれています。そう、今まで車に轢かれてしまった動物の中には、誰かが飼っていたペットもいます。もし自分のペットが轢かれてしまったら、あるいは自分が誰かのペットを轢いてしまったら……果たしてどうすればいいのでしょうか?

ここではペットが交通事故にあった時の対応について解説します。

民法上の動物の扱いと物損事故

ペットが車に轢かれてしまったとしても、飼い主に被害がない場合は野生動物と同じく物損事故という扱いになります。そのため、訴える場合は物損事故の損害賠償を要求することになりますね。飼い主としてはペット=物として扱われるのは心外ではあるかと思いますが、少なくても現在の法律上では仕方ありません。

さて、では物損事故における損害賠償とは何でしょうか。基本的には【破損した物が元に戻るまでの費用】の事を指します。つまり、ペットがケガした時はその医療費が、死亡した場合は購入費用などに応じた財産的損害の補填と埋葬費用を請求することになります。

慰謝料は認められない事が多い

慰謝料というのは加害者から受けた肉体的若しくは精神的苦痛に対して要求する、損害賠償の一つです。そして、この慰謝料というのは物損事故においては原則請求できない事が圧倒的に多いです。これは法律上の観点でいけば、【飼い主に被害がない=肉体的苦痛はない】事や、【財産的損害の補填があれば精神的苦痛もなくなる】事が主な理由とのこと。

ただし、これに関しては例外もあります。そもそも昨今において、ペットというのは唯一無二の存在であり、死亡した場合は換えなんて効きません。その存在の損失は、少なからず飼い主にとって精神的苦痛となるでしょう。そのことを考慮した裁判もいくつかあり、慰謝料も含めた損害賠償が認められています。ただ、それでも原則的には慰謝料が認められていない事に変わりはないため、あくまで例外として覚えておきましょう。

飼い主が損害賠償を支払うケースも?

ええ!?って思う人も居るかもしれませんが、被害者である飼い主側が逆に損害賠償を支払うケースもあります。下記に分かりやすい例を2つ書きましたので、それを見ながら解説していきましょう。

・例1

飼い主(以降A)が幼い子供に大型犬のリードを持たせたところ、子供が犬を制御できずに道路に飛び出し、車と衝突。飼い主や子供にケガがないものの、大型犬が死亡。なおこの時、車も損傷した。

・例2

飼い主が犬と一緒に歩道を散歩していたところ、突如車道を走行していた車が歩道に乗り出し、犬と衝突。飼い主にケガがないものの、犬が死亡した。

さて、どちらも想像するだけで悲しい事故ですが、実はこの2つには決定的な違いがあります。それは、飼い主に過失があったか否かです。例2の場合、飼い主は普通に散歩していただけなのに、車が急に歩道に乗り出したことで起きた事故なため、被害者側に責任はありません。一方で、例1はどうでしょうか?

大型犬のコントロールも効かない小さな子供にリードを持たせ、結果として事故を起こしてしまった。言い換えれば、もし自分がリードを持ち、犬をちゃんと制御できていれば事故は起きなかったでしょう。つまり、被害者である飼い主にも過失があるわけです。この場合、仮に裁判をしたら、過失の割合に応じた金額が損害賠償から引かれる【過失相殺】となります。

更に、例1の場合は車も損傷していますね。つまり、運転手側の視点からしてみれば、彼も被害者です。つまり、物損事故として車の修理費を負担しなくてはならない……すなわち損害賠償を請求されてしまうことになるのです。

野生動物との衝突事故は珍しいものではありません

冒頭でもお話しましたが、動物との衝突事故は決して珍しくもなく、また他人事でもありません。車は全身凶器であり、どんな人でも運転するだけで命を奪える。それを理解している私たちは歩道を歩き、法律も人間を守ってくれます。しかし、動物たちはそうはいきません。

時として突発的な行動もしてしまう動物たちは、私たちが意識していないタイミングで飛び出してしまう事もあり得るのです。今回の記事を見ている方々の中に、もし運転手がいらっしゃるのなら、改めてこういった事故を少しでも減らせるよう、運転中はちゃんと周囲に気を配るよう努めてくださいね。

                               

メモリーズ北九州コラム